監護権(監護者)

監護者とは一般的には子供を引き取り育てる側が親権者と監護者を兼ねていますが、親権の「身上監護権」の部分を切り離して、親権者とは別に監護者を定めることもできます。

例えば、父親が親権にこだわり、親権者になれないと離婚はしないと主張し、話がまとまらなかったり、父親を親権者と定めたとしても、現実は父親には仕事や出張もあり、日常の子供の監護教育が出来ないケースもあります。
このような場合、父母の話し合いで父親が親権者として子供の法定代理人・財産管理などの行為を行い、母親が監護者となって子供を引き取り、子供の身の回りの世話や教育を行う事ができます。

監護者の決定が、夫婦間の協議で話し合いがつなかい場合には、家庭裁判所へ監護者を定める調停、又は審判の申し立てをすることになります。家庭裁判所では子供の福祉を最優先で考え、どちらで生活をした方が、子供が幸福であるか判断します。仮に父母共に経済的、健康的な事情で子供の監護教育ができない場合は、祖父母やおじ、おば等でも良いとされています。
母親に生活力があれば、監護者として認められるケースも多く、特に子供が乳幼児であれば、特別な事情がない限り、現実に監護している母親が監護者として適していると判断されます。

もっとも親権者と監護者を分けるのはまれで、子供の氏やその他の問題もあるので、やむを得ない特殊な事情がある場合に限られます。

親権者は離婚届に記載されますが、監護者は離婚届に記載されません。
父母の話し合いで監護者を決めた場合は、必ず離婚協議書にどちらが監護者になり子供を監護養育するか記載しておいた方が良いでしょう。

■ 監護者の変更

監護者の変更は、親権者の変更とは違い戸籍の変更を伴いません。
基本的には父母の話し合いだけで監護者の変更は可能です。父母の協議でまとまらない場合には、家庭裁判所に監護者の指定を調停によって決めてもらうこともできます。この申し立ては父母に限らず、親族や児童相談所の所長など第三者でも行うことができます。但し、子供の意向は考慮しますが、子供自身には申し立ての権利はありません。

家庭裁判所では、現在の監護者の経済面や精神的な事情で、子供の監護教育の環境が悪化してる場合や、子供と監護者の再婚相手との関係がうまくいかない場合など、監護者を変更した方が子供の福祉や利益の為に良いと判断したのみ認めます。
親の勝手な都合で監護者の変更は認められません。

監護者を変更した場合も、必ず離婚協議書などに、どちらが監護者になり子供を監護養育するか記載しておいた方が良いでしょう。

親権も監護権も持たない親

親権も監護権も法的な決め事であり、親権や監護権を持たない親でも子供の扶養義務はあり、子供をどのように育て教育するか意見を言う権利もあります。また子供を引き取り育てる側へ対して、「面接交渉権」も要求できます。

関連語句

監護者
監護権を行使できる者、父母が協議離婚のする上で子の監護者を決定しなければならないが協議が不可能な場合などは家庭裁判所がこれを定める。
養育費
子供を養育する費用。子の権利として、養育費を親権者以外の一方の親から受け取る権利があります。 詳しくは養育費のページにて説明いたします。
親権者指定
協議離婚の際などに親権者の決定が困難な場合、親権者の決定を調停、または裁判で行います。
現状尊重
現実に養育監護している者を親権者として、優先させる原理、継続性の原理という基準です。
人身保護請求
人身保護法により、不当に奪われている人身の自由を裁判により、迅速に回復させる事。
未成年者略取
未成年者を略取し、又は誘拐した者に3ヶ月以上5年以下の懲役を下す(刑法224条)と刑法に定められており、営利目的等(わいせつ目的等)の場合は1年以上10年以下の懲役となります。

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