履行命令と履行勧告
家庭裁判所での調停や審判などで決定した慰謝料や財産分与、養育費が約束通りに支払われない場合に、家庭裁判所から約束通りに支払うようにと勧告や命令をだしてもらえる制度です。強制執行と違い、法的な強制力はないので全ての問題を根本的に解決する事は難しいのが現実です。しかし、裁判所からの勧告や命令に驚いて支払いが行われて問題が解決するケースもあります。
これから離婚される方が慰謝料や財産分与、養育費などの取り決めの際には、約束通りに支払いが行われない際に強制執行も可能な強制執行受諾条項付きの公正証書にしておく事をお勧めします。既に離婚している方で公正証書を作成していない場合は、下記の履行命令と履行勧告を試してみるとよいでしょう。
■ 履行命令
金銭や財産上の支払い義務に応じない相手に、義務を実行するようにと家庭裁判所から命令してもらう制度です。正当な理由がなく、履行命令に従わないときは10万円以下の罰金が課せられますが、強制執行のような支払いに対する法的な強制力はありません。
■ 履行勧告
離婚時に決めた約束事を守らない相手に、義務を実行するようにと家庭裁判所から勧告してもらう制度です。金銭の債務以外の問題でも利用する事ができます。直接交渉で無視されている場合などに利用するとよいでしょう。強制執行と違って煩雑な手続きもなく、費用もかかりません。こちらも法的拘束力はありませんが、相手方の心理にある程度の強制力を働かせる事ができます。
